看護について
椎間板ヘルニアの看護、つまり患者のケアとしては、まず病状、神経症状などをしっかり把握しておき、対応時に的確に判断することができるように準備しなければなりません。
どのような痛みが生じているのか、また姿勢を変えると痛みがどう起こるのか、など、日常的に椎間板ヘルニア患者さんとコミュ二ケーションを上手くとれるかどうかが、とても大切な要素です。
足に痺れがあるかどうか、膝や足の指の運動はできるか、知覚の障害があるかどうか、膀胱直腸障害や歩行困難など、このような症状が出ている場合は、重度の障害に至ってしまった患者さんばかりです。
このような重度の患者さんは、外科的手術が行われる場合がありますが、もし、手術をする場合は、当日までケアしなければなりませんので、術式によってストレッチャーや体位変換の用意も大切です。
術後は神経症状を主に観察します。手術によってどれくらい神経圧迫の効果が出たのか、切開の傷口に血腫が起こっていないかなど、オペレーションルームから直帰した際には、特に状態把握が大切です。
もっとも肝心なことは、術後に痛みやしびれ、急激な神経症状が起こっていないかです。もし、このような症状が出ているようであれば、すぐに担当医に報告することです。
麻酔による覚醒の程度もありますが、正常な状態での確認として処置する場合ももちろんあり得ます。
他には牽引で入院する患者さんもいます。牽引後は、腰部の安静を保持するための処置や、牽引方向に沿った皮膚障害の有無の確認、牽引による神経症状の有無などが主に大切な観察ポイントです。
その他にはコルセットの装着指導、つまり自力で装着を練習させることや、コルセットによる皮膚の障害の確認も大切です。
リハビリ段階であれば、起き上がりや寝返りを指導したり、コルセットをしたままの動作指示、捻りを加えない動作指示なども行います。
そして、清潔に保つことや着替えの指導をすれば、徐々に復帰、退院とリハビリ通院への準備に入ることになります。患者さんとのコミュニケーションをより円滑に保つように心がけることが、看護をする上で何より大切となります。