
これに対し、2012年3月22日に判決が下り、福岡地裁小倉支部は原告側の主張を認め、病院側に1620万円の損害賠償の支払いを命じたと昨日ニュース報道が流れました。
福岡地裁小倉支部判決,不適切な位置の固定具をすみやかに除去しなかった事案
今回の裁判で裁判長を務めた、岡田健裁判長は、判決理由として「腰椎の固定具が不適切な位置に挿入されたことが原因で、神経が圧迫され、まひが生じた」と判断。「医師に過失はないが、すぐにフォローをしていれば防止できた」として、病院の過失を認めた。
判決によると、女性は2005年6月に、同病院で受けた手術直後から、右足などに違和感を感じ、時間が経つにつれ、しびれや痛みを感じるようになったという。
その後、別の病院で再度の治療を受け、痛みや痺れは改善したが、右足を曲げることが出来ない(右下垂足)ほどの麻痺が残ったという。
今回は原告側の主張が認められ、勝訴となったが、68歳の女性は残りの人生は右足麻痺という状態で日常生活を送らなければならなくなる。
恐らく、今後の日常生活は車椅子を使用した生活になると考えられ、女性の面倒を見る家族やその周りの人たちの生活も大きく変わってしまうと思われます。
このようなニュース報道からも分かるように、椎間板ヘルニアの外科的治療にはかなり大きなリスクがあるということです。そして、このような外科的治療をしたからと言って、必ずしも成功するとは限らないということが、今回のニュースで伝わったのではないでしょうか。
また、椎間板ヘルニアの成功率はおよそ20%程度と言われ、残りの80%の人達は術後半年以内に、痛みやしびれが再発してしまったとのデーターが出ています。
医師も再発リスクがあることを分かっているため、患者には必ず同意書にサインをさせます。その内容は病院によって違うとは思いますが、少なからず下記のようなことが同意書には書かれているはずです。
「術後に麻痺やしびれ残っても、当病院、医師は責任を追いません」
もし、このようなことが同意書に記載されているとしたら、病院、医師の逃げ道を自分から認めているようなものですので、サインをする時は、同意書によく目を通した上で、サインをするようにしてください。
結論、やはり今回のニュースでも分かるように、椎間板ヘルニアの外科的治療はかなりリスクが高いことが分かります。出来ることなら、保存療法や運動療法で椎間板ヘルニアを改善させる別の道を探すことを当サイトではお薦めしたいと思います。