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内視鏡術について


椎間板ヘルニアでは基本的に可能な限りは保存療法を適用しますが、痛みがなかなか治まらないなどのケースでは外科的治療法を検討し始めます。

椎間板ヘルニアで行われる術式は色々とありますが、現在、お薦めできると思われるのが内視鏡術です。内視鏡術は全身麻酔をし、外筒管を患部へ挿入して椎間板ヘルニアを摘出する方法です。

治療時間は比較的短く済みます。また切開サイズも小さくて済みますから、出血の心配がほぼなく、椎間板ヘルニア患者さんの体への負担が極めて小さい方法であるということが言えます。

内視鏡術の手順は、まず背中を1.5cm~2cm程切開します。そして、外筒管を患部に挿入し、映像を画像モニターで見ながら、髄核を摘出します。治療時間はおよそ1時間程度です。

このことから、技術的に熟練した医師でなければ出来ない方法と言えます。椎間板ヘルニアの治療をする場合、神経根の周囲に様々な癒着が見られることが多いため、より腕のある執刀医の存在が求められます。

しかし、椎間板ヘルニアの内視鏡術はまだまだ発展途上のものであると言えます。このため、執刀する医師が内視鏡術に精通していて、経験も多数あり、神経の癒着に対応できる器具も準備されている、という条件が揃って初めて施行される方が良いです。

もし、経験の浅い医師や設備が整っていない病院などで受けると、返って症状が悪化したり、上手くいかないケースもあります。今では、椎間板ヘルニアの内視鏡術を専門とする病院やクリニックが多数ありますので、そのような専門病院で受けることがお薦めです。

それに比べて、従来の切開方法は経験が豊富な医師であればかなり信頼性があるということが出来ます。また、従来の方法で最も効率が良いものとして、ラブ法があります。

全身麻酔を行って、背中側から5~6cm程度切開する方法ですが、腰椎の一部を削り、脊髄神経を圧迫して痛みの原因となっていた椎間板ヘルニアを切除あるいは摘出を目視によって行います。

内視鏡術をするのであれば、椎間板ヘルニアの名医と呼ばれる医師も多くいるようですので、一度調べ、予約可能かどうかを確認してみることも良いでしょう。

しかし、椎間板ヘルニアで外科的治療をして、本当に良かったという患者さんは、全体の1割程度にしか過ぎません。それだけ、再発する人が多いということなのです。

出来れば、これは最終手段という考えを持っていただき、まずは、運動療法などで体のバランスを整え、その後、トレーニングなどを行い、腰椎周りの筋力を強化して、一度様子をみることがいいと思います。

それでも、椎間板ヘルニアの痛みやしびれが取れない場合のみ、最終手段として検討されることが良いと思います。また、9割近い確立で再発する覚悟も持った上で望まれるようにしないと、後々後悔することにもなりますので、その辺りの認識をしっかりと持つことが大事になってきます。

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