術後のリハビリについて

椎間板ヘルニアで行われるリハビリは、大きく2つに分けられます。1つは運動療法による筋力強化です。主に腰周りの筋肉を強化し、特に腹筋や背筋の筋力を回復することを目標にします。
この場合、腰は特に椎間板ヘルニアの患部に近いため、無理をしないことが重要視されています。最初は腹式呼吸などがよく用いられます。やり方としては、背筋を伸ばして、脚を肩幅に開いて両手を下腹部へ軽くあて、鼻で空気を吸い込み、口から細かく刻みながら吐くというような簡単な方法です。
この時のポイントとしては、常にお腹には力を入れていることと、お尻にも力を入れ続けることです。この場合、お腹を出来るだけ引っ込めることで効果が上がり、腹筋や背筋に対して適度な負荷を与えるのに十分です。
そして、具体的なやり方としては、3秒で鼻から息を吸い、10秒程度かけてゆっくりと息を吐いていきます。また、この腹式呼吸はインナーマッスルを鍛えることも出来ます。それだけでなく、内臓脂肪を燃焼させる効果もあると言われていますので、椎間板ヘルニアの改善だけでなく、ダイエットにも効果を発揮すると言われています。
もう1つは、運動機能が低下していると予想される脚の筋力を回復するためのリハビリです。椎間板ヘルニアによる脚部への影響は麻痺として出現する場合も多いため、この麻痺の状態が後遺症に発展することも十分に考えられます。
ですので、出来れば早期にリハビリとして取り入れることが重要です。脚の場合は歩行器を使用しての歩行訓練や手すりを補助とする運動、または階段を利用しての歩行などが主なメニューとして一般的です。
継続して行えば通常歩行まではそれほどかからず、正しい姿勢で普通に歩けるようになり、着地の衝撃なども気にならなくなるでしょう。
また、リハビリを開始してしばらく経てば、様々なメニューを取り入れることができます。膝閉じや膝開き、脚上げや脚下げ、お尻上げや普通の腹筋運動などによって、回復が見えてくるようになります。
椎間板ヘルニアの術後のリハビリテーションは早期開始が望ましいとよく言われます。このことは、筋肉の衰退をより早く改善しなければ、どんどん衰退していってしまうからです。
また一日や二日は問題ないだろうと考えていると、体の負担からなかなか億劫で開始出来なくなる傾向が強くなってしまいます。
入院が長引いた方、椎間板ヘルニアの治療をするまでの期間が長かったという方はより椎間板ヘルニアのリハビリを重要視すべきです。椎間板ヘルニアの術後はコルセット装着が義務ですが、コルセットをする時間を出来るだけ減らすように努めると効果も上がっていきます。
