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脱出型について


椎間板ヘルニアは、そのヘルニアの形態によって大きく2つのタイプに分かれます。1つは繊維輪に亀裂、ヒビが入ってしまって、その部分から中身の髄核が飛び出してくる「脱出型」。

またもう1つは繊維輪にはヒビがなく、内部で髄核が圧力をかけて共に膨れ上がってくる「膨隆型」です。

このうち脱出型の椎間板ヘルニアでは痛みもしびれも激しくなりがちですが、数ヶ月で症状が軽くなるケースが多く、保存療法や運動療法などでも充分に治癒の効果が期待できるとも言われています。

椎間板ヘルニアの脱出型タイプでは、後縦靭帯を破ったヘルニアが、後方へと膨隆して神経を圧迫します。破れが起こった直後は激痛を伴って辛い症状が起こりますので、早急に安静を取る必要があります。

また症状が強いために、手術に踏み切ってしまう例も少なくありませんが、最近ではこの脱出型も半年程度で自然消失するケースが増えています。

まず靭帯を破ってしまった椎間板ヘルニアは、それによる炎症の影響でマクロファージが出現し、それが自然に椎間板ヘルニアを食べてしまうことが最近分かってきました。

つまり椎間板が血行にさらされると、椎間板に炎症細胞の侵潤が起こり、この細胞が貪食と分解を始める、ということが言われるようになってきているのです。

脱出型では、髄核がかならず消失するという可能性は高くありません。また椎間板ヘルニアが消失しなくても縮小することもありますので、この場合も症状がかなりよくなるケースもあります。

消失したり縮小した場合は、繊維輪自体にはまだヒビが入っていますので、再発する可能性もありますが、一度痛みが消えれば、それ以後によほどの負担をかけなければ可能性は高くはありません。

また、椎間板ヘルニアの脱出型タイプで手術をする場合は、内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術が適しています。腰から16ミリ程度の傷口を開いて、レンズのついた内視鏡を通すための外筒管を挿入します。

その後、内視鏡を入れてモニターを見ながら椎間板ヘルニアを切除します。国内では最先端の方法であり、出血もほとんどありません。しかし、手術は再発のリスクが非常に高いので、あまりお勧めできる治療法ではありません。

椎間板ヘルニアを根本から完治させるには、体のアンバランスを整えることと、腰椎周りの筋力強化、この2つをしっかりと行えば、痛みや痺れを完治することは十分に可能なのです。

もし、何年も椎間板ヘルニアに悩んでいるのであれば、今お伝えしたことを参考に実践されてみてください。その人の症状によって効果はまちまちですが、およそ1ヶ月程度で効果を実感できると思います。

中川式腰痛治療法